「鍼灸って、どうやって治療するの?」 当院にご来院される患者様から、よくいただく質問の一つです。
特に「脈を診て何がわかるの?」と驚かれる方も少なくありません。
私たちレディース鍼灸いこいでは、東洋医学の伝統的な診断法である脈診(みゃくしん)をしています。脈診は、ただ脈の速さや強さを測るだけではありません。あなたの体の奥深くにある「声」を聞き取り、不調の原因を探るための大切な手がかりとなるのです。
東洋医学の「脈診」がどのようにしてあなたの健康状態を明らかにするのか、そしてなぜ鍼灸治療において脈診が欠かせないのかを詳しく解説します。
脈診とは?あなたの体の状態を映し出す「鏡」
東洋医学では、人の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」のバランスで成り立っていると考えます。
このバランスが崩れると、さまざまな不調として体に現れるのです。
そして、そのバランスの状態を最も敏感に映し出すのが「脈」です。
脈診とは、手首の脈を触れることで、体の状態を詳細に把握する東洋医学独自の診断法です。
脈からわかること:あなたの不調のヒントがここに
脈診では、主に以下の3つの要素を丁寧に診ていきます。
脈の速さ(遅・数): 体に熱がこもっていると脈は速くなり(数脈さくみゃく)、冷えていると遅くなります(遅脈ちみゃく)。風邪の発熱時や、体内に炎症がある場合など、体温の変化や熱の状態を教えてくれます。
脈の強さ・状態(実・虚): 脈に力がある場合は「実(じつ)」といい、体内に過剰なものがある状態や急性の症状を示唆します。逆に脈に力がない場合は「虚(きょ)」といい、エネルギー不足や慢性的な不調を表すことが多いです。
脈の深さ(浮・沈): 皮膚に近い浅い位置で触れる脈は「浮脈(ふみゃく)」といい、体の表面に熱がある場合や、外からの影響を受けていることを示します。深く押さないと触れない脈は「沈脈(ちんみゃく)」といい、体の奥に冷えや不調が隠れている可能性を示唆します。
これらの要素を総合的に判断することで、あなたの体が「冷えているのか、熱を持っているのか」「エネルギーが足りているのか、過剰なのか」「急性的な問題なのか、慢性的なものなのか」といった、具体的な体の状態を把握することができます。
さらに詳しい「六部定位脈診」で内臓の状態もチェック
当院では、さらに専門的な「六部定位脈診(ろくぶじょういみゃくしん)」という方法も用います。これは、左右の手首の特定の場所が、それぞれ東洋医学でいう「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」と関連しているという考え方に基づいています。
- 左手首: 心(しん)・肝(かん)・腎(じん)の状態を診ます。
- 右手首: 肺(はい)・脾(ひ)・三焦(さんしょう)の状態を診ます。
例えば、左手首の「肝」の場所の脈が弱ければ、肝臓の働きが低下している可能性を示唆し、関連するツボへのアプローチを検討します。
このように、脈の場所ごとの状態を診ることで、どの臓腑にバランスの乱れがあるのかをより具体的に特定し、最適なツボ選びに役立てています。
鍼灸と脈診:なぜ鍼灸院で脈診が重要なのか
「鍼を刺したら、すぐに脈が変わるんですよ」
これは、脈診の奥深さを示す最も興味深い点です。適切なツボに鍼を施すと、体内の気の巡りが整い、それに伴って脈の状態も瞬時に変化することがあります。
脈の変化は、鍼が体に良い影響を与えている証拠。
私たちはこの変化を確認しながら、施術の効果を判断し、その日のあなたの体に最適な治療を進めていきます。
脈診は、患者様一人ひとりのその時々の体の状態を正確に把握し、オーダーメイドの鍼灸治療を行う上で欠かせない診断法なのです。
レディース鍼灸いこい:あなたの体と向き合う鍼灸院
「脈を診るなんて、まるで手品のよう!」と驚かれる方もいらっしゃいますが、これは決して手品でも魔法でもありません。長年の経験と東洋医学の確かな理論に基づいた、「医学」です。
当院では、この伝統的な脈診に加え、問診や腹診、舌診など様々な方法を組み合わせることで、多角的にあなたの体の状態を診ていきます。そして、常に変化するお体の状態に合わせて、最も効果的な施術をご提案することをお約束します。
生理痛、更年期症状、冷え性、不眠、自律神経の乱れなど、女性特有のお悩みをお持ちの方はもちろん、「なんとなく不調を感じるけれど、どこに行けばいいかわからない」という方も、ぜひ一度レディース鍼灸いこいにご相談ください。
あなたの体の声に耳を傾け、健康で快適な毎日をサポートいたします。