結婚し、子供を3人授かり、毎日忙しい日々でした。大阪から兵庫に引っ越して10年以上が経ち、その地にもなじんでいました。楽しくも3人の子育ては大変でした。専業主婦でしたので、毎日子どもと向き合っていました。
3人目の息子が3歳の時、1人目は小学1年生、真ん中は幼稚園に通っていました。その頃、なんとなく体調がすぐれない日々が続いたのです。午後になると、37度前後の微熱、でも6時頃には平熱になる。生理痛で頭痛がする。とにかくだるい。
テレビで30代でも更年期障害になるというニュースを見て、これかもしれないと思い、婦人科に行ったのですが、ドクターは、私の年齢を見て、当時37歳、「そんなはずはないだろう」と血のめぐりをよくする漢方を処方してくれただけでした。
その漢方でも症状はよくならず、不安な毎日でした。ある時、友達に言うと、彼女は、「あそこの鍼灸院は何にでも効くから行ってみたら?」と電話番号を教えてくれました。
それでも、なかなか鍼灸院に行く気にはなりませんでした。それでも、耳鼻科でメニエール症候群の疑いという診断が出て、やっぱり行ってみようと思い、行ってみました。
その鍼灸院は白髪の院長と私より若い女性の鍼灸師の2人でされていました。私は特に女性の先生に診てもらいました。不思議だったのは、そこは一本も鍼を刺さない方法の鍼だったのです。
刺さない鍼ってそれまで想像もしていなかったので、最初驚きではありました。しかし、ある日、メニエール症候群のめまいがひどくて普通には歩けない日がありました。夫の運転でその鍼灸院まで連れて行ってもらい、這うようにして、施術室に入り、足に鍼をあてているうちに気持ちもおちついて、めまいも治まっていました。約30分ほどの治療後は普通にすたすたと歩けることに驚きました。
それ以来、鍼灸のすごさに魅了されていきました。
その鍼灸院に通って2年ほど経って、鍼灸師になりたいとは思っていましたが、なかなか口にはだせませんでした。3人の子どもがいて、専業主婦で、どうしてそんな余裕があるでしょう。
それでも、鍼灸の勉強をしたいという想いが湧いて、夫もやってみたら?と応援してくれ、鍼灸の専門学校を調べて入学することにしました。
3人目の子どもが小学校に入学するのと同時でした。上の子が6年生、真ん中の娘が小学校3年生の年でした。
もう今から15年ほど前の事です。