9年間鍼灸院をやっていて、ほぼ毎日たくさんの患者さんと接する機会をいただいて、アドバイスというのも憚られますが、私が日々考えている事を書いてみたいと思います。誤解のないように、ゆっくり伝えたいと思います。
当院にいらっしゃる患者さんは、深刻な症状の方、長く苦しんでおられる方が多いです。一般に、病院で検査し、他の治療も試して、よくならなくて、鍼灸にたどり着く方も結構な割合でおられます。
初診でその方とお話していて、感じるのは、本当に頑張って来られたんだなと思うのです。
病気になった時、そして、いろいろ検査をして不安な時を経験され、
なかなか改善しなくて、ネットで調べたり、
知人に「これがいい、あれがいい」または、「これがだめ、あれがダメ」という優しくきつい助言に、半ば疲れ、
時には、お祓いとか、前世がとか、一見非科学的なことを言われたり、
ある本には、原因と結果があり、病気は自分の今までの結果なので、自己責任だという考えもあります。
人は、幸せで自信のある時は、それらを笑って一掃できるのですが、体も心も弱っている時は、普段は考えられないくらいの些細な事で、傷つきます。私も経験があります。
私は、違うよと言いたい。
もちろん、何か原因はあるかもしれません。また、子どもの頃の体質も関係する事もあるでしょう。
でも、今、その原因を調べたところで、どうなるんでしょうか?
はっきり分かる原因、たとえば、胃潰瘍とかなら、もう見つかって、取り除いているはずです。
もう、自分にプレッシャーをかけるのをやめませんか?
せめて、しばらくの間だけでも、やめてみませんか?
もし、それが、大好きな人だったら、「頑張らなくていいよ、ちょっと休もうよ、美味しい物でも食べて、温泉にでも入って、ゆっくりしようよ」と言うでしょう。
他人に優しいあなたが、自分には、「まだまだ頑張れ!」というのは、矛盾しています。私は、自分の事を大切な人を扱っています。
私は、患者さんに、「こうしなさい、あれはだめ」とは、言いません。したかったら、したらいいし、自分でやめようと思わないとやめれないです。例えば、タバコ、ネット依存、お菓子の食べすぎなど。ダメな事は本人も知識としては、知っているのに、やめられないのに、私が言ったから、やめられるとは、考えられないです。
しかし、私の鍼灸治療で、体が整い、気が充満し、エネルギーにあふれたら、患者さんが変われると思っています。そういう奇跡ともいえる場面を、今まで何度も見せていただきました。
これからも、寄り添った治療をしてきたいと願っています。
レディース鍼灸いこい
小林由起子