東洋医学の考えでは、患者さんの体全体を診て、治療します。
私のやっている方法は東洋医学の中でも経絡治療という方法です。
具体的には、五臓(肝・心・脾・肺・腎)の働きの悪いところ、弱っている所を調べ、そこに鍼をします。その後、六腑(胃・大腸・小腸・膀胱・胆のう・三焦)の働きを整えるために鍼をします。
五臓六腑が整うと、その患者さんのお身体は改善に向かい、自然治癒力が働き、痛みや辛い症状はおのずと消えていく。
そういう理論です。
しかし、それには数回場合によっては数十回の治療が必要な事もあります。患った期間が長いほど、改善にも時間がかかるのは分かっていただけるでしょう。
少しでも改善を早くするために、痛いところに鍼をしたり、お灸をしたりします。これを局所治療と呼びますが、やりすぎるのもよくないし、全くやらないのも患者さんを苦しめることになります。
その時、その場で判断し、治療します。
例えば、数日後に旅行に行くので、少しでも痛みを取りたいという場合、鍼を刺したり、
捻挫で腫れている時に、自然治癒力を待っているより、腫れを少しでも早く取るためにお灸をしたり、時によっては、刺絡という鍼の技法を用います。
鍼灸治療というのは、鍼灸師によって、患者さんによって、その時によって、変わります。変えないといけないです。
そう思って日々、治療にあたっています。