よく鍼灸院と接骨院、整体院の違いがよく分からないという質問をいただきます。今日はその違いについてお話します。
鍼灸師とは、国家試験に合格し、はり師・きゅう師として登録された者をいいます。はりときゅうはそれぞれ独立した資格で、両方に合格している場合に「鍼灸師」と呼ばれます。片方だけ合格している場合は、その資格に応じた施術しか行うことはできません。
鍼灸院を開業するためには、保健所への届け出が必要で、院の広さ・明るさ・換気といった基準を満たすことが求められています。これは、施術を受けていただく皆さまに、安心できる環境を整えるためのものです。鍼灸院はあくまで「鍼灸を専門に行う場所」とされており、他の施術を兼ねることはできません。
一方で、一般の方には「鍼灸院」「接骨院(整骨院)」「整体院」の違いが分かりにくいかもしれません。
- 〇 鍼灸院・接骨院(整骨院) … 国家資格を持つ施術者が開業できます。
〇 整体院・リラクゼーションサロン … 特別な資格や許可は必要なく、誰でも開業できます。
整体やリラクゼーションサロンで施術をされている方の中には、真剣に学び、技術を磨かれている方もいらっしゃいます。ただ、鍼灸師との大きな違いは学び方にあります。鍼灸師は、専門学校や大学で3年間学び、卒業試験に合格した上で国家試験を受け、合格してはじめて施術を行うことができます。
鍼灸は「医療類似行為」として、国家資格のもとに行われる施術です。リラクゼーションや整体は「サービス業」という位置づけになります。どちらにもそれぞれの良さや役割がありますが、私たち鍼灸師は、医学的な知識と国家資格を持つ専門家として、体の不調に寄り添い、安心して受けていただける施術を提供しています。