鍼灸院というのは、あまりメジャーな治療法ではないかもしれません。
はじめて予約するのは躊躇してしまうのも分かります。以前の私がそうでした。
私が鍼灸院に通うようになったきっかけ
30代後半の頃のことです。原因不明の微熱が続いたり、だるくて仕方がなかったりしました。
内科に行きましたら、検査では何も異常が見つかりませんでした。婦人科に行きました。更年期障害ではないかと医師に言いましたら、「この年でそれは考えられない」とよく使われる漢方を処方してくれました。それでも、改善せず、知人に「最近なんかしんどいのよね」と話したところ、ある鍼灸院を薦めてくれたのです。
しかし、私はその鍼灸院を予約するのに、1カ月迷いました。なぜか、腰痛、肩こりなど痛みの疾患で鍼灸院に行くのは理解できるけれど、今の症状が鍼灸治療って考えられなかったからです。それでも、なかなか良くならず、不安だった私は、藁にもすがる思いで予約の電話をしたのです。
通っていくうち、ほんの小さな症状も相談でき、気持ちも楽になりました。その後、子供たちも何かあれば、診ていただき、鍼灸院は私のかかりつけ医のようなものになりました。
私も患者さんにも、ちょっと風邪気味だから、とか、このままほっておくと、ぎっくり腰になりそうだからと、少しの不調の時にご来院してくださる方も増えました。まだ症状が軽い時に対処すれば、大事に至りません。
以前肩こりで通われていた方が、めまいがするからと予約されました。めまいを感じて1週間くらいで来ていただいたので、3回ほどの治療で症状はなくなりました。
しかし、初診の方の中には、辛い症状を抱え、長年悩んでいらっしゃった方の中には、「もっと早く来ればよかった」と後悔される方もいらっしゃいます。
鍼灸は、痛い、怖い、熱い、など不安な気持ちがあると思いますが、当院の鍼灸治療は、細い鍼を使い、浅く刺す手法です。気持ちの良い温かさが、心身をリラックスさせ、体の自然な治癒力を高めると考えています。副交感神経が優位になることが、改善には必要であると当院では考えています。
受援力という言葉が、2010年、関東大震災のあと、広がってきました。人に頼る、助けを求める力です。人が幸せに生きるためには、頼り頼られる社会が大切だと感じています。どうか当院が助けられる場でありますように、願っております。