当院では施術中、何度も手首の脈を診ます。何をしているのでしょうか?
東洋医学では望診、聞診、問診、切診という4つの診断法があります。
望診 見て診断すること
聞診 声などを聞いて診断すること
問診 症状などを伺って診断すること
切診 皮膚に触れたり、脈を診て診断すること
今日は脈診についてお話します。
脈は体の状態がよくわかるものです。誰でも運動したら、脈が速くなりますね。熱がある時も脈は速くなります。逆に体が冷えている時は脈は遅くなります。
頭がズキズキ痛い時、こめかみが脈を打っているような感じになる事がありませんか?当然、手首の脈もどくどくしています。
症状によって脈は変わるのです。ほんの小さな変化ですから、それを感じるのは至難の業です。
しかし、昔から脈診は東洋医学では大切な診断法として取り入れられてきました。
脈で分かること
①熱、冷えなどの状態
②実か虚か
③五行のどこが問題か
④施術した鍼が効果的かどうか
ひとつずつ説明します。
①熱、冷えなどの状態
脈が速ければ熱、遅ければ冷えと判断します。
ただし、その方のもともとの脈が遅い方早い方もいるので、考慮します。
②実か虚か
体が弱っていれば、当然脈は弱くなり、逆に頑張っていたり、邪気が入った急性の時は脈が強く感じる事があり、実ととらえます。
③五行のどこが悪いか
六分定位脈診(ろくぶじょういみゃくしん)と呼ばれる脈診法では、左の親指側の手首側から心、肝、腎、右は肺、脾、三焦の状態を見る事ができるとされています。その6カ所のバランスを診て、その方の証(あかし)を決め、治療方針を立てます。
④鍼がよかったかどうか
1本1本、鍼をしたのち、直ちに脈を診る事で、脈によい変化があれば、その鍼は効果があったことが分かります。症状の変化がなかったとしても、脈がよくなればその方に影響を与える事ができているのです。もちろん、脈がよくなったから、患者さんの症状が変わらなくてもいいというものではありません。しかし脈が良くならなければ、治療は成功とはいえないというのが私の考えです。なぜなら、体質を変える=脈の変化は必須だからです。
このように日々脈を診る施術を繰り返しています。
お困りの症状がありましたら、ぜひご来院ください。