東洋医学的にみる体の働きについて述べます。
東洋医学では五行論という考えがあります。
5つの働きがすべてを決めている。言い換えると、すべての症状は5つに分けられる。感情さえも5つに関連づけられるという事です。
その5つは
肝
心
脾
肺
腎
です。
脾と肝については前に述べました。
今日は心についてです。
心は心臓のことだけではありません。
精神を司るとされています。
脳の問題も心だと考えます。
西洋医学でいう循環器の問題だけではないのです。
東洋医学では、五臓が実か虚かという診方をします。余分なものがある事か不足しているかということです。
『心に虚なし』と言われています。
ですから、心を補う治療は基本的には行いません。
心が問題で起こる症状
動悸、不整脈、胸苦しさ、胸の痛み
手足の冷え ほてり
気分が落ち着かない、寝付きが悪い、不安感が高まる、寝ても寝た気がせず夢が多い
意識混濁、うわ言、知覚異常
心の治療
当院では患者さんからの問診、触診、脈診を総合的に判断して、治療方針を決定します。
患者さんが心が問題と判断した時、まず、心は虚なしという原則に従って、手の厥陰心包経のツボに鍼をします。
症例
うつ状態の方の治療として、手の厥陰心包経のツボ、大陵(だいりょう)に鍼をしました。
その方は不眠症の症状を特に訴えて、寝た気がしない、眠りが浅い事がつらいとおっしゃっていました。
その後徐々に回復に向かいました。