今日は、慢性子宮内膜炎のお話です。
慢性子宮内膜炎とは
子宮の内膜に局所的に炎症が慢性的に続いている状態を言います。自覚症状はありません。
あまり多くはありませんが、不育症の方の40~60%に見られます。原因ははっきりとは分かっていません。
最初から検査はしません。子宮内膜炎があっても妊娠できる場合も多いからです。
体外受精をしてうまくいかなかったり、流産をする場合、慢性子宮内膜炎の可能性を疑い検査をします。
検査法
受精卵が着床する時期に子宮内膜の組織を採取し、免疫染色によってCD138陽性細胞の有無を調べます。この細胞が複数あると、子宮の中に炎症が起こっていると判断されます。膣から細いチューブを入れて組織を取る検査です。痛みを感じる方もいますが、個人差があります。
治療法
検査で炎症が分かったら、2週間の服用を行い、その後再度検査し、改善されているかを確認します。
良くなっていたら、移植という形が多いです。
当院の患者さんの中でも、この検査・治療後に妊娠陽性というケースは多いです。
もし、2週間の投薬で改善していない場合、もう2週間服薬による治療をします。それでも、改善しない場合は、手術を検討します。
急性子宮内膜炎とは違います。急性の場合、高熱や、下腹部に痛みや腰痛があります。
また、子宮内膜症とも違います。子宮内膜症は月経痛が重い事が特徴です。
いずれにせよ、異常を感じたら、すぐに病院で検査するべきでしょう。